1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」で甚大な被害を受けた被災地の早期復旧に向けた取り組みが林野関係でも本格化してきている。
林野庁は、1月15日に「能登半島地震山地災害緊急支援チーム」を新たに編成し、石川県に治山・林道技術者を継続して派遣している。被害の大きい奥能登総合事務所管内(珠洲市・輪島市・穴水町・能登町)の避難所周辺に広がる森林の緊急点検から優先的に取り組んでおり、「今後は集落等の上部の山地災害箇所などにも調査を広げていく」(本庁治山課)方針だ。
これに先立ち、1月12日には、珠洲市内2箇所と志賀町内1箇所の林地荒廃(山腹崩壊等)を災害関連緊急治山事業に採択した(事業費は約15億円)。災害査定に最新のICT(情報通信技術)などを活用して、従来にないスピードで復旧事業に着手できるようにした。
地上からのアクセスが難しい山地の被災箇所を把握するには、ヘリなどを使った上空からの調査が不可欠であり、日本林野測量協会など関係団体も協力体制をとっている。
1月21日には、坂本哲志農林水産大臣がヘリによる現地調査を行い、珠洲市や輪島市で大規模な山腹崩壊が多数発生していることを確認した。
被災地の復旧支援では、日本練炭工業会と全国燃料協会が連携して、木炭や練炭、専用コンロなどを現地の物資拠点に供給している。
応急仮設住宅の建設では、全国木材組合連合会が中心となって、基礎用杭丸太や住宅用木材の供給体制を整えた。
また、国土緑化推進機構は、石川県木材産業振興協会と連携して「組手什」寄贈活動を開始、第1...
『林政ニュース』編集部
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