大分県庁林業OB会と佐伯市が協定、被災地調査に無償協力

大分県庁林業OB会と佐伯市が協定、被災地調査に無償協力

大分県庁を退職した林業技術者で組織している「県庁林業OB会」(足立紀彦会長)は、昨年(2023年)12月19日に佐伯市(田中利明市長)との間で「大規模な林道災害時の被災状況調査に関する協定」を締結した。

OB会は約150名の会員を擁し、毎年開催される県の森林づくり大会における作業協力をはじめ、2015年には歴史年表『大分県林業の歩み』を刊行し、藩政時代からの『大分県の林業史』の編纂にも取り組むなど精力的な活動を続けている。

佐伯市は九州最大の面積を有し、市内に路線数243本、総延長450㎞の林道が整備されているが、頻発する豪雨災害などで被災するケースが増えており、災害査定調査などで多くの人員を割かれている現状にある。県側からも「市町村営林道の被災状況の把握にどうしても時間がかかる」との連絡があったことから、OB会としてボランティア(無償)で被災状況調査を行うことを決断し、同市と協定を結んだ。具体的には、①豪雨災害発生後、同市がOB会に調査を依頼、②OB会は、同市が指定した路線を対象に調査員を現地に派遣、③調査員は全線を踏査し、被災状況などをスマートフォン等で撮影・送信し同市の担当者に報告、④同市は独自調査に補足する形でOB会からの報告を活用し、災害の全容解明を進める。

協定締結に先立ち、OB会では同市及び県と連携して昨年4月に「ボランティア研修会」を実施し、グループLINEもつくって情報の共有化を進めており、今年(2024年)の梅雨時期までにもう一度現地研修会を行う準備を進めている。OB会の足立会長(元県審議監)は、「まずは佐伯市で迅速かつ正確な情報を提供できるよう全力を挙げて取り組む。成果が出れば県下の他の市町にも展開したい」と意欲をみせている。

(2023年12月19日取材)

(トップ画像=協定書を手にする足立会長(右から2人目)と田中市長(左から3人目))

『林政ニュース』編集部

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