山陽商事(株)(兵庫県伊丹市、前田多恵子社長)は、植林現場で分解しやすい繊維を使った獣害防止ネットを開発し、11月11日に発売を始めた。商品名は「REI(レイ)ネット」。RはReduce、EはEnvironmental、IはImpactの頭文字をとっており、環境への負荷を軽減する意味が込められている。
シカやイノシシなどによる食害から苗木を守るため、樹脂ネットや金網柵などで植林地をガードする対策が全国的に普及しているが、そのまま放置するとツルや下草が絡まり、間伐や搬出時には作業の邪魔になって撤去も難しくなる。とくに、経年劣化した樹脂ネットはマイクロプラスチックとなって土壌や生物に悪影響を与える恐れがある。一部ではポリ乳酸を使った生分解性プラスチックが導入されているが、ネットを張った状態では土中の微生物に触れにくく分解されづらい面がある。
新開発した「REIネット」は、原料の一部に植物由来の成分を使用するなどして、自然の条件下でも分解しやすい繊維となっており、二酸化炭素(CO2)の削減効果もある。設置した箇所の紫外線や空気、熱の条件などで分解スピードは異なるが、植林後の数年間は獣害から苗木を保護することができ、回収や撤去の手間も省ける。同社の前田社長は、「10年後、20年後に起きそうな問題を考えて開発した」と話している。
問い合わせ等は、同社フォレスト・デザイン事業部(☎0868‐26‐1036、電子メール:info@sanyo-trade.co.jp)へ。サイトはこちら。
『林政ニュース』編集部
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