檜原村で「森のヘンテコ素材に出会う旅」 東京チェンソーズがメルマガ活かし企画

檜原村で「森のヘンテコ素材に出会う旅」 東京チェンソーズがメルマガ活かし企画

(株)東京チェンソーズ(青木亮輔社長)*1は、11月14日に「森のヘンテコ素材に出会う旅」を東京都の檜原村で開催した。2021年1月から配信しているメールマガジン「まるごとニュースレター」の100回配信記念として実施したもので、建築設計事務所や建材メーカー、工務店などの15社・30名が参加した。

木材利用の新たな可能性を探った(画像提供:東京チェンソーズ)

「まるごとニュースレター」では、一般的に流通する木材のカタログには載っていない「ちょっと変わった素材=森のヘンテコ素材」の魅力やスペックなどを紹介している。「出会う旅」は、その現物を見ながら森林・木材利用の新たな可能性を探るために企画した。

森のヘンテコ素材(画像提供:東京チェンソーズ)

当日は、同社の社有林で森林や林業の現状などに関する説明を受けた後、檜原村木材産業協同組合*2の天然乾燥施設に展示したヘンテコ素材を見学。その場でヘンテコ素材を購入する参加者もいた。

同社担当者は、「次回の開催時期は未定だが、アンケート結果では、ヘンテコ素材を見ながらディスカッションし、森の中でヘンテコ素材を探すワークショップの要望もあり、今後検討を進めていく」と話している。

ユニーク事業を展開し、年間売上高約1億9,000万円に成長

東京チェンソーズは、2006年に青木亮輔社長ら4名が森林組合から独立して起業した。創業以来、会員制森づくりプロジェクト「東京美林倶楽部」や木育・木工・アウトドア体験の出張ワークショップ「森デリバリー」など、首都圏に近い立地を活かしたユニークな事業を展開している。

2019年には檜原おもちゃ工房で木製おもちゃの製造を開始。また、21年からは「檜原 森のおもちゃ美術館」内のミュージアムショップ「CruChoi(くるちょい)」の運営も担い、「檜原村トイ・ビレッジ構想」(正式名称:檜原村木育・木材産業推進基本構想)の推進役にもなっている。

CruChoiでは来場者が木製おもちゃをその場で購入する

同社の正社員数は19名。年間売上高は約1億6,000万円。内訳は、林業事業部が約6割、販売事業部が約4割。販売事業部では、木製おもちゃに加え、日用雑貨やアロマオイルなどを製造し、同館やオンラインストアなどで販売している。

青木社長は、これまでを振り返って、「丸太1本の高付加価値化に取り組んできた」とし、「これからは地域材の安定供給や森林空間の活用などで森林全体の価値の最大化を図っていく」と話している。

青木社長が村議会の議員に就任、「若者が誇れる村を目指す」

青木社長は、今年(2023年)5月に檜原村議会の議員に就任した。政策目標として地域資産の最大化を掲げており、林業・木材産業の活性化や村内森林の約7割を占める秩父多摩甲斐国立公園を中核とした観光産業の振興などに取り組んでいる。今後に向けて、「檜原村を国立公園からナショナルパークへと磨き上げていき、若者がもっと誇れる村を目指す。外国人観光客も呼び込んで地域経済を活性化させていきたい」と抱負を語っている。

青木亮輔・東京チェンソーズ社長兼檜原村村議会議員

(トップ画像=檜原おもちゃ工房の内部)

『林政ニュース』編集部

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