小学校のキャリア教育に「林業」、木育ガールがプロデュース

小学校のキャリア教育に「林業」、木育ガールがプロデュース

東京都の板橋区立板橋第十小学校で、キャリア教育の一環として林業に関する授業が12月5日に実施された。小学生が授業の中で森林や木材について学ぶ機会はあるが、将来の進路を考えながら林業に関する知識を深める珍しいケースとなった。

この授業は、小学4年生の「総合の時間」におけるカリキュラム「出会い 作り まざる〜人生設計を考えよう〜」の中で行われた。東京チェンソーズ(株)(東京都檜原村)の広報担当者を招き、インタビューした内容を紙芝居にまとめ、近隣の保育園で発表した。紙芝居の主人公(木こり)はヘルメットやチェンソーパンツを装備し、背景も針葉樹と広葉樹の違いがはっきりわかるように描いた。担当した柳原典子教諭は、「木は伐ってはいけないという認識だったが、間伐などの森林整備の重要性がわかり、将来の選択肢についても視野が広がった」と評価した。

キャリア教育と林業を結びつけたのは、「木育ガールキキちゃん」こと、東京学芸大学大学院修士2年の前田彩世さん。前田さんは、約2年前に木育に関する活動をスタートさせ、YouTubeでの発信のほか、各地の小学校などで授業やワークショップを行っている。大学ではExplayground推進機構(東京都小金井市)木育研究所の代表もつとめており、林業・木材関係者らから学んだ内容を専門的な教育の手法で木育に役立てている。

「木育ガールキキちゃん」の前田彩世さん

前田彩世さんの話「森林の大切さや木材の良さを次世代に伝えていくためには、学校現場と林業現場をつなぐコーディネーターが必要になる。大学院卒業後は、起業して木育をさらに広げていきたい」

(2023年12月5日取材)

(トップ画像=紙芝居で林業の重要性を伝えた)

『林政ニュース』編集部

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