「Econifa」立ち上げから15年、アイテムが増え健康効果も確認
同社が国産材ブランドの「Econifa(エコニファ)」*2を立ち上げて業界の耳目を集めたのは今から15年前、2010年のことだった。
以降、2012年に東京・京橋に交流拠点「イノベーションセンターSYNQA(シンカ)」*3を開設してカバ材をフローリングや天井に採用し、2015年の改装でナラ材も加えた。続いて、2017年に開業した「イトーキデザインラボ月島」(東京都中央区)ではクリ材をフローリングに、2018年オープンの本社オフィス兼ショールーム「ITOKI TOKYO XORK(現ITOKI DESIGN HOUSE TOKYO)」(同)ではナラ材をフローリング・壁面・天井面に使って内装の木質化を率先してきた。

製品開発では、2020年にクリ材を天板に使った大型テーブル「シルタ」を発売し、同年のウッドデザイン賞で経済産業大臣賞(木製品分野)を受賞。2023年と2024年に発売したワークチェア(作業用椅子)「vetebra03 WOOD」と「クロッサWOOD」ではクリ材を背と座の部分に採用した。この間、針葉樹に適した乾燥方法と反り・割れ・ねじれの克服に向けた技術開発を進め、クリ材については3次元形状の成型合板に加工する技術を確立した。

また、2020年から2021年にかけて、森林総合研究所や東京大学などと連携して、テーブル天板の材質の違いが執務者に及ぼす影響に関する実証実験を行い、クリのムク(無垢)単板を使用すると唾液中コルチゾールが減少するなどストレス低減効果が認められることを確認した。
海外でも高評価、素材感やブラウンカラーなどのニーズに対応
同社は昨年(2025年)、「Econifa」ブランドをアップデートし、47都道府県から産出される木材を、樹種の特性を引き出しながら利用して製品ラインナップを拡充していく方針を打ち出した。また、グローバルブランド「Pigna(ピグナ)」の中でクリ材をはじめ国産材を量産家具に用いることも発表した。
湊宏司社長は、「弊社の主力は依然としてスチール家具」と認めた上で、「国産材を使った製品の仕上がりの良さは海外でも評価されている。どんどん使っていきたい」と意欲をみせ、「オフィス家具というジャンルにとらわれずに国産材の利用を拡大できる可能性も感じている」と口にしている。

同社の担当者によると、最近のオフィス空間は、①固定席からフリーアドレス、②耐久性から素材感、③モノトーンカラーからブラウンカラー、④独立型デスクから大型テーブル・ソファ─、⑤管理から自主性──などをキーワードにしてデザインされる傾向が強まっている。
オフィスの進化と歩調を合わせて、同社の国産材活用も新たな段階に入ってきている。
(2025年12月18日、2026年1月15日取材)
(トップ画像=奥行1,500mmの「シルタ」(本社オフィス))
『林政ニュース』編集部
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