ナラ枯れ被害が再び拡大、北海道でカシノナガキクイムシを初めて発見

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鎮静化の兆しをみせていたナラ枯れ被害が再び拡大してきている。林野庁が1月15日に発表した速報値によると、今年度(2020年度)の被害量は約18万5,000m3で、前年度の約6万m3から大幅に増加した。被害地域も39都府県から42都府県に広がっており、関係者は危機感を深めている。

ナラ枯れは、昆虫のカシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介するナラ菌によってミズナラなどが集団的に枯損する現象。近年の被害量はトップ画像のように推移しており、2010年度に32万5,000m3とピークに達した後は減少していた。だが、今年度は前年度の3倍強へ一気に跳ね上がり、新たに茨城県、栃木県、長崎県でも被害が発生した。昨年の暖冬でカシナガが越冬しやすくなったことなどが被害拡大の一因とみられている。

また、森林総合研究所と北海道立総合研究機構林業試験場は昨年(2020年)12月15日に、カシノナガキクイムシを北海道で初めて発見したと発表した。道南地域でフェロモントラップを使ってカシノナガキクイムシの生息状況を調査し、松前町と福島町の4か所の森林で計5個体を捕獲した。まだ被害木は確認されていないが、調査を継続し早期発見と防除体制の整備に取り組むことにしている。

ナラ枯れ被害は都市部の公園などでも発生しており、一般市民も警戒感を強めている。林野庁は、カシノナガキクイムシの付着を防止するビニール巻きや殺菌剤の樹幹注入、伐倒駆除などの防除ノウハウを共有し、「横の連携を強化しながら対策を講じていきたい」(森林保護対策室)としている。

(2021年1月15日取材)

『林政ニュース』編集部

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