道南の「ナラ枯れ」が拡大、被害木が10倍増

北海道 災害

道南の「ナラ枯れ」が拡大、被害木が10倍増

一昨年(2023年)の秋に北海道内で初めて確認された「ナラ枯れ」の被害が道南地域で広がっており、関係機関などは対策の強化に乗り出している。

ナラ枯れは、カシノナガキクイムシ(以下「カシナガ」と略)が媒介する病原菌「ナラ菌」によって引き起こされる。全国のナラ枯れ被害量は、2010年度をピークに減少していたが、2020年度に約19.2万m3へ再び増加し、今年度(2024年度)も18.6万m3(10月末時点の速報値)と高水準に達しており、44都道府県で被害が発生している。

新たに「監視区域」を設定し、年度内に基本方針を策定

北海道では、一昨年に松前・福島両町で計15本のナラ枯れ被害木が初めて発見され、被害拡大防止対策会議が中心となって、被害木の処理や予防対策に取り組んできている*1

だが、昨年(2024年)9月上旬から10月下旬にかけて、道南の重点対策エリア(600km2)を対象にヘリコプターや衛星画像等による上空からの調査を行ったところ、松前・福島・知内の3町で計182本の被害木が確認され、一昨年の約10倍に増えていることがわかった。

これを受け、道や林野庁などは12月19日に同対策会議を開き、被害の拡大防止に向けた方策などを協議。新たに道南の10市町にある森林を「監視区域」に設定し、上空及び現地調査を強化して被害木の早期発見に努めるほか、今年度末までに対策の強化に向けた基本方針を策定することにした。また、カシナガの繁殖拡大を防ぐため、成虫になる6月...

『林政ニュース』編集部

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