【キラリと光るこの会社】(株)有賀製材所(長野県伊那市)

【キラリと光るこの会社】(株)有賀製材所(長野県伊那市)

長野県伊那市の(株)有賀製材所(有賀真人社長)は、「丸太1本を使い切る」をモットーに、A材は建築用材、B・C材は梱包用材に製材し、D材は暖房用の薪に加工して有効活用している。

同社の創業は1926(昭和元)年。現在は設計士を含む9名の社員が在籍し、年間に約1,500m3の原木を挽くほか、年3棟ペースで新築住宅を建設、年間売上高は約1億2,000万円となっている。

メインの製材事業では、スギ、カラマツ、アカマツ、クリ、ヒノキなど幅広い樹種を取り扱う。賃挽き事業も丸太1本から受け付けており、木工クラフト職人や家具メーカーなどから「有賀製材所さんのおかげでものづくりに専念できる」と評価が高い。

板倉工法でスギムク材活かす、暖房器具・ペチカの普及推進

同社の家づくりは、柱の間にスギの厚板を落とし込む板倉工法を採用し、天然乾燥のムク材を活用している。施工時には、ムク材特有の色艶や肌合いなどについて、「お客様(施主)に丁寧に説明している」(有賀社長)。施主が望めば、木取りなどの実演も行う。「均一な既製品にはない“自然のデザイン”を活かすことが付加価値につながっている」という。

ペチカの設置サポートなども行っている

同社がD材からつくる薪の大半は、蓄熱式暖房器具・ペチカの燃料になる。ロシア発祥のペチカは、焚き口で薪を燃やして本体のレンガに蓄熱させる方式。一旦本体が暖まれば、火が消えても放熱し続け、朝晩に薪をくべるだけで24時間暖房が可能になる。同社はペチカの見学も受け付けており、設置のサポート事業も行いながら、伊那谷で“木づかいの輪”を広げている。

(2021年8月30日取材)

(トップ画像=有賀製材所の内観、様々な木材を適材適所で使いこなす)

『林政ニュース』編集部

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