木質バイオマスボイラーから出てくる燃焼灰を活用した草木染めの商品が国内で初めてつくられた。草木染めのオリジナルブランド「採色兼美(さいしょくけんび)」を展開している寺田デザイン事務所(北海道下川町、寺田真治代表)がニューアイテム「御所染薄桜(ごしょぞめうすざくら)」を開発し、5月に製造方法に関する特許を取得。今夏からオンラインショップを中心に販売を始め、順調に売り上げを伸ばしている。
「御所染薄桜」は、木質バイオマスボイラーの燃焼灰から抽出したクロムとシラカバの樹皮を染料にして製造した布製品で、渋い桜色が特長。燃焼灰は産業廃棄物扱いになっており、有効活用が難しかったが、同事務所は、「森で生まれたものは森に還したい」との思いで試行錯誤を重ね、商品化に成功した。寺田代表は、「研究者や商社、自治体などと連携することで燃焼灰の循環利用モデルをつくっていきたい。今後は堆肥やセメント材料として利活用することも検討したい」と話している。
(トップ画像=「御所染薄桜」のタオルマフラー、定価3,900円(税込み))
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。