全国森林組合連合会と農林中央金庫が実施している「低コスト再造林プロジェクト」にビールメーカー大手のアサヒグループホールディングス(株)(東京都墨田区、勝木敦志社長)が参画した(10月20日に発表)。同社は、広島県庄原市と三次市に社有林「アサヒの森」を計2,467ha所有している。同プロジェクトでは、早生樹のコウヨウザンを使って造林のコストダウンなどを図ることにしており、実証実験用に三次市の社有林約1haを提供する。実際の作業は地元の三次地方森林組合に委託し、約1haを伐採した後、コンテナ容器で育てたコウヨウザンの大苗を植え、5年間かけて生育状況などを調べる。
FSC認証取得の「アサヒの森」にコウヨウザンを植栽
「アサヒの森」はすべてFSCの森林認証を取得済みで、森林経営計画に基づいた施業が行われている。実証実験のエリアは保安林に指定されており、植栽樹種にコウヨウザンは含まれていなかったが、広島県が全国で初めてコウヨウザンを保安林内で植栽可能な樹種に登録する見直しを行った。同県は、合板メーカーなどと連携してコウヨウザンを使った製品開発にも取り組んでいる。
広島県と静岡県の関係者が情報交換、テーダマツ林分に応札
広島県は、テーダマツの実用化を目指している中日本合板協同組合とも連携して、早生樹活用の“輪”を広げている。
同県の担当者は10月中旬に静岡県を訪れ、同組合や県森林・林業研究センターなどの関係者と意見交換を行った。早生樹を合板などに製品化する際に生じることがある表面の結晶化やクスノキのような匂いは、樹木の精油成分であるセドロールが関わっているとみられている。関係者は、「セドロールの含有量は、系統や林齢、生育環境などで変わっていく。国等とも連携をとりながら調査・検討を進めていきたい」と話している。
なお、天竜森林管理署(静岡県浜松市)は、テーダマツが大半を占める林分の入札を10月29日に初めて実施した。同林分は、立木本数が1,105本で、テーダマツが934本と約85%を占め、ほかはスギ、ヒノキ、広葉樹となっている(総材積は1815.28m3)。3社が応札し、西山林業合同会社(愛知県新城市)が482万円(税抜き)で落札、1m3当たりの平均価格は約2,655円だった。
(2021年10月20日取材)
『林政ニュース』編集部
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