CN(カーボンニュートラル)実現とグリーン成長を目指し2022年度予算要求 ゼロ国債活用、「新しい林業」モデル構築

全国 予算・事業

林野庁が8月末に財務省に提出する来年度(2022年度)予算概算要求の重点事項が明らかになった。「カーボンニュートラル実現に向けた森林・林業・木材産業によるグリーン成長」をテーマに掲げ、6月に閣議決定した新しい森林・林業基本計画*1*2の推進に必要な新規事業などの実現を目指すことにしている。

林野庁が来年度予算要求に盛り込む主要事業は、上ののとおり。

林野予算の主力である公共事業(森林整備・治山事業)については、今年度予算の2割増で要求するとともに、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」でも所要額を確保していく方針。

また、事業執行の平準化を図るため、補正予算で活用されている「ゼロ国債」を来年度当初予算でも計上できるようにする。ゼロ国債を使うことで発注や契約業務の前倒しが可能となり、年度当初の事業量の落ち込みなどが避けられるようになる。

都市の木造化対策を強化、10年間で1億本の国民運動展開へ

非公共事業に関しては、既存事業を組み直し、「森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策」として要求する。新・基本計画で打ち出した「新しい林業」を実現するため、全国から20か所程度を選定して、ICTなどの最新技術や知見の導入によって収支がプラスになる経営モデルを構築する。川下関係では、木材利用促進法の改正*4を踏まえ、民間建築物を含めた都市の木造・木質化支援事業などを拡充する。また、「10年間で1億本」の植樹目標*5を達成するため、「カーボンニュートラル実現に向けた国民運動展開対策」を新たにスタートさせる。

(2021年8月25日取材)

*1国産材需給1.4倍、4,200万m3目指す、新「基本計画」の2030年目標値決める

*2新「森林・林業基本計画」と「全国森林計画」を閣議決定

*4脱炭素社会を目指す改正木促法成立、民間の取り組み支援

*5「10年間で1億本」目標に国民運動展開へ 「脱炭素社会」実現に貢献、募金を強化

『林政ニュース』編集部

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