政府が12月24日に閣議決定する来年度(2022年度)当初予算(案)の概要が明らかになった。12月20日には今年度(2021年度)補正予算が成立し、いわゆる「15か月予算」の全容が固まった。
来年度林野当初予算の中核となる一般公共事業については、森林整備事業に1,869億円、治山事業に620億円が計上される(ともに対前年度比100.1%)。これに「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」等で767億円が追加された今年度補正予算などが加わり、林野公共事業の総額は2,700億円に達して、目標額である2,600億円を4年連続でクリアする。
一方、非公共事業では、目玉要求していた「森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策」に116億円を措置し、新規事業の「『新しい林業』に向けた林業経営育成対策」(予算額5億円)や「カーボンニュートラル実現に向けた国民運動展開対策」(同2億円)をスタートさせるメドがついた。今年度予算で重点事業に位置づけている「林業・木材産業成長産業化促進対策」(同75億円)、「林業イノベーション推進総合対策」(同9億円)なども継続実施するための所要額を確保した。
川下対策に関しては、「建築用木材供給・利用強化対策」(同13億円)、「木材需要の創出・輸出力強化対策」(同4億円)を当初予算で実施することに加え、今年度補正で「木材産業国際競争力・製品供給力強化緊急対策」(495億円)を予算化しており、いわゆるウッドショック対策を含めて、国産材製品の供給力を高めるための各種施策を多角的に実施する方針だ。
林野予算全体では8月末の概算要求に沿った仕上がりとなっているが、非公共事業の来年度当初予算は対前年度比でマイナス5%程度に減少する見通しとなっており、新規・重点事業を中心にメリハリをつけて執行していくことが課題になる。
(2025年12月22日取材)
『林政ニュース』編集部
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