JI目指す町田ゼルビアが「木のクラブハウス」建設 「跳ね屋根」にスギCLTとTJIを活用

JI目指す町田ゼルビアが「木のクラブハウス」建設 「跳ね屋根」にスギCLTとTJIを活用

プロサッカーリーグのJ1(1部)昇格を目指しているJ2のFC町田ゼルビア(東京都町田市)がスギCLTなどを使った「木のクラブハウス」を建設している。8月6日に関係者向けの上棟現場見学会が開催された。

天然芝グラウンドとともに整備が進む

サッカークラブの運営会社である(株)ゼルビアが「鶴見川クリーンセンター」(三輪緑山)の一部・約4万2,000m2を市から無償で借り受け、クラブハウスと天然芝グラウンド2面の整備事業を進めている。同社は、2019年にJ1への昇格が可能となるライセンスを取得。施設等の整備が昇格への要件となっている。

クラブハウスは、鉄骨造一部木造2階建てと鉄骨造平屋建ての2棟ならなり、来年(2022年)1月に竣工する予定。建築面積は1,107.86m2、延床面積は1,175.21m2。設計監理は、隈研吾建築都市設計事務所。施工は、ナイス(株)木構造事業部。

野地板にスギCLT、垂木にTJIジョイストを使用

デザイン面の特徴は、グラウンド側に最大3.5m張り出して開放感を高める「跳ね屋根」と、大小様々な形状の窓を配置して躍動感を表す「リズミックウインドウ」。「跳ね屋根」はゼルビアの語源である「けやき(ゼルコヴァ)」をモチーフにしており、鉄骨梁柱にスギJAS製材品を土台として設置し、(株)鳥取CLTが製造した厚さ36㎜のスギCLTを野地板に、輸入木質材料のTJIジョイストを垂木に用いている。使用量は、スギCLTが約34m3、TJIジョイストが約14m3。オープンテラスもつくり、風雨にさらされる部分には茨城県五霞町の(株)染めQテクノロジィが開発した透明塗料を塗布して、木の質感を維持しながら劣化を防ぐことにしている。

大友健寿・ゼルビア社長の話 「新築するクラブハウスは、地域と一体で利用できるJリーグでも珍しい施設になる。厳しい予算の中でコストダウンに努め、来シーズンから使えるメドがついた」

(2021年8月6日取材)

(トップ画像=「跳ね屋根」と「リズミックウインドウ」が特徴的なクラブハウスの完成イメージ)

『林政ニュース』編集部

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