澄んだ空気と水を求め、林業が盛んな地で蒸溜所をオープン
ふじのくに・静岡で育ったガイアフローの中村大航社長(52歳)は、「地元でウイスキーをつくる適地はないか? と探していたときに、この場所と出会った」と振り返る。
良質なウイスキーをつくるには、澄んだ空気と水が欠かせない。静岡蒸溜所が建つ静岡市葵区は、安倍川に合流する中河内川が流れ、道路を通る車は1時間に数台しかない。地域の主産業は林業。同蒸溜所の周囲に広がる山林を見渡すと、盛んに主伐・再造林が行われていることがわかる。
中村社長は、静岡市清水区で生を受けた。大学を出て地元の大手企業に就職し、経理を中心に社会経験を積んだ後、家業である精密機械工場の経営に携わった。
2011年の東日本大震災を受け自らの人生を見つめ直し、翌12年にウイスキーの本場・スコットランドへ渡り、ウイスキー蒸溜所の立ち上げを決意する。
同年に帰国して直ちにウイスキーの輸入販売事業を行うガイアフローを創業。2年後の2014年には、ウイスキ...
『林政ニュース』編集部
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