CLTの普及促進目指し「第4次ロードマップ」策定へ

政府は、CLT(直交集成板)の普及をテコ入れするため、来年度(2026年度)を始期とする「第4次ロードマップ」を策定する。9月29日に開いた関係省庁連絡会議で、今年度(2025年度)末までに新「ロードマップ」を決定するスケジュールを確認した。

「年間50万m3」の目標達成に向け新たな対策を検討

中高層木造ビルなどの建設を可能にするCLTは、新たな国産材需要を生み出す木質材料として期待されている。だが、現行の「第3次ロードマップ」が「2024年度末までに年間50万m3のCLT生産体制」の構築などを目標に掲げているのに対し、今年(2025年)6月時点のCLT工場(JAS認証取得済み)は11工場、年間生産能力は10万m3と伸び悩んでおり、年間需要量も「約2万1,000m3」(林野庁木材産業課)にとどまっている。

このため政府は、「第3次ロードマップ」の期限が今年度いっぱいであることを踏まえ、10月から「第4次ロードマップ」に関する検討作業を本格化し、有識者等からのヒアリングや議論を重ねた上で、新たな普及促進策を打ち出す方針だ。

なお、CLT建築物の竣工件数は増加基調を維持しており、今年度末には累計で1,793件に達すると見込まれている(トップ画像参照)。とくに、今年度の竣工予定は311件で、前年度(2024年度)の221件から約1.5倍の伸びとなる。

関係省庁は、CLTの量産体制構築とコストダウンに向けた取り組みを続けており、林野庁はCLTパネルの寸法などの標準化・規格化や標準的な木造化モデルの作成・普及を進めている。国土交通省もCLTに関する建築基準の合理化を図って、小規模建築でCLTパネルを用いる場合は構造計算を簡略化できる見直しを行っている。

(2025年9月29日取材)

(トップ画像=CLTを活用した建築物等の竣工件数の推移)

『林政ニュース』編集部

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