どこでも誰でも木質空間「つな木(ぎ)」発売、45㎜角材を活用

どこでも誰でも木質空間「つな木(ぎ)」発売、45㎜角材を活用

どこでも誰でも木質空間をつくれるユニット「つな木」が7月15日に(株)日建設計(東京都千代田区、大松敦社長)と三進金属工業(株)(大阪府忠岡町、新井宏昌社長)から発売された。

「つな木」は45㎜角の一般流通材と専用のクランプ(接合金具)からなり、テーブルやベンチのほか、仮設医療ブース、オフィスなど様々な木質空間を創り出せる。専用クランプで角材を挟み込むだけで、簡単に組み立てられるシンプルさと再利用が何回でもできるのがミソ。第1弾として発売されたのは、「もしもつな木キット」。日常時はテーブルやベンチなどとして使用し、新型コロナウイルスなどのワクチン接種時には仮設医療ブースに”変身”する。価格は約26万円から約80万円で、基本仕様にオプションパーツなどを加えることができる。

大庭拓也・Nikken Wood Labラボリーダー

「つな木」を企画したのは、日建設計の社内ベンチャー組織・Nikken Wood Labラボリーダーの大庭拓也氏。同氏は有明体操競技場(東京都江東区)や選手村ビレッジプラザ(中央区)などを手がけた中大規模木造建築のプロフェショナルだが、「都市木造の反動で『つな木』を企画した」と話す。木材を都市建築に使用する際には、強度や防耐火、寸法精度などの要求水準が高まるが、「様々なハードルを超えていくと『木の良さとはなんだろう?』と考えるときがある。どこにでもある木を、多少狂いや誤差があっても使えないかと考えて、一般流通材に着目した」と言う。

学生対象の「つな木」コンペ開催、入賞者は地域で実用化へ

ArchiTech(株)(京都府京都市、伊藤拓也社長)と日建設計は、学生を対象にした「つな木」活用のコンペティション「『もち』をつくる」を開催しており、アイディアを8月16日(月)まで募集している。「もち」は、森と街を合わせた造語。上位入賞者3名は賞金30万円を獲得でき、地域で実用化に取り組む資金に活用できる。同コンペのコーディネートも行っている大庭氏は、「入賞者にはぜひとも地域プレイヤーと連携して『つな木』のプロジェクトを企画・実現していただきたい」と期待を寄せている。

(トップ画像=「もしもつな木キット」でつくった仮設医療ブース(画像提供:日建設計提供))

『林政ニュース』編集部

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