三菱地所ホームが独自工法で中大規模木造「江北小路」建設

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三菱地所ホームが独自工法で中大規模木造「江北小路」建設

三菱地所ホーム(株)(東京都新宿区、細谷惣一郎・代表取締役社長)は独自のFMT(Flat Mass Timber)工法で建設した共同住宅「江北小路(こうほくこうじ)」の現場見学会を9月28日に都内で行った。同工法を採用した中大規模木造建築物が竣工したのは初めて。

「江北小路」は、東京都が都市防災の一環として進めている「都有地活用による魅力的な移転先整備事業」の第1弾として建設された。木造一部鉄骨造の3階建てで、延床面積は1,142.54m2。1階はテナントが入り、2階・3階は住居スペースになる。木材使用量は約350m3で、構造材に新潟・長野・福島県産のカラマツ材とスギ材、外壁には多摩産のスギ材、内装にも広葉樹材をふんだんに使用している。設計管理は(株)スタジオ・クハラ・ヤギ(千代田区、久原裕・八木敦司共同代表)。

FMT工法は、同社が2020年9月に発表したブランド「ROBRA(ロブラ))」の中核となる特許技術。集成材厚板パネルと鉄骨によるハイブリット構造で、長スパンの梁を飛ばせ、柱が少ない開放的な空間をつくれる。

「江北小路」の内部、広葉樹材の床材・建具が目立つ

構造材も内外装も“本物の木”にこだわった「江北小路」の賃料は7~10万円で周辺相場と同程度。担当者は、「事業主である東京都都市づくり公社からは、長期の回収期間を見込んだので、この価格が実現できたと聞いている」と話す。

同社は今年(2023年)4月に都市木造開発推進部を新設した。同部を率いる越川喜直・常務執行役員は「『江北小路』は木が持つ力を活かしてコミュニティが形成しやすいようなデザインとなっている。多くの人に見て欲しい」と話している。

(2023年9月28日取材)

(トップ画像=「江北小路」の外観、木材を(あらわ)しにして活用している)

『林政ニュース』編集部

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