万博のシンボル“木のリング”の再利用を─大阪府木連が提案

万博のシンボル“木のリング”の再利用を─大阪府木連が提案

大阪府木材連合会(大阪市、津田潮会長)は、5月9日に大阪維新の会(同、吉村洋文代表)の本部を訪ね、「2025大阪・関西万博」で建設される“木のリング”(大屋根)*1などの再利用に関する提案活動を行った。

“木のリング”は、国際イベントの万博で国産材の有効活用をアピールするシンボル施設に位置づけられているが、使用後の木材の取り扱いについては検討が進んでいない。リングの柱や梁には集成材を使用するため、再利用にあたっては接着剤の処理などが必要になる。また、パビリオンや売店、休憩所、ベンチなどで使う木材のリユースも設計段階から考慮しておくことが求められる。

大阪府木連は、これまでも万博事務局に対して木材のリユース構想を示してきたが、政策決定力のある維新の会に直接訴えて、議論の加速化を図ることにした。

当日は、大阪府木連の三宅英隆・専務理事らのほか、都市緑地工学の権威である増田昇・大阪公立大学名誉教授も加わって、「都市の木造化」をテーマにしたプレゼンテーションを実施。万博で使用した木材を活用して、御堂筋の歩道や学校、公園の遊歩道などの木造・木質化を進めるべきと提案し、運搬方法や防腐処理、コストなどに関する検討を急ぐことを確認した。

(2024年5月10日取材)

(トップ画像=大阪の与党である維新の会に対して木材のリユースを提案した(画像提供:大阪府木材連合会))

『林政ニュース』編集部

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