外国人材の受け入れ拡大に向けた国の制度見直しが前進してきた。
政府は、現行の技能実習制度に代わって「育成就労制度」を新設することを盛り込んだ技能実習法と出入国管理法の改正案を3月15日に閣議決定した。今国会中に成立させて、3年以内(2027年まで)に施行する予定だ。同制度では、未熟練労働者として受け入れた外国人でも、一定の技能と日本語能力が認められれば「特定技能1号」に移行して、最長5年間働けるようになる。
また、政府は、3月末までに「特定技能制度」に関する新しい運用方針を閣議決定し、林業、木材産業、自動車運送業、鉄道の4分野を「特定技能1号」に追加する*1。来年度(2024年度)から5年間で、林業は1,000人、木材産業は5,000人の外国人材を受け入れる目標値も設定する。
今後は、「育成就労」と「特定技能」という2つの制度が外国人材受け入れのメインになる構図となっており、現行の技能実習制度からいかに切り替えていくかが課題になる。
なお、「特定技能1号」に自動車運送業が追加されることは、原木(丸太)や木材製品などを運ぶトラックドライバーの確保につながるものであり、林業・木材産業関係者が「物流の2024年問題」に対応していく上でも見逃せない制度改正となっている。
(2024年3月15日取材)
『林政ニュース』編集部
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