福島県古殿町の素材生産業者・(株)サンライフ(水野喜文社長)*1は、1月から中国への原木輸出を始める。昨年(2023年)12月5日に、輸出先である大連友邦木材業有限公司(中国大連市)及び仲介業者の(株)ジェイピーニューズ(熊本県熊本市)と郡山市で取引条件などに関する書類を取り交わした。同県産の原木を中国に持ち込んで販路開拓に挑む初のケースとなる。
輸出する主な原木は、直径30cm以上、長さ2~4m、曲がりありの大径材。同社の水野社長は、「木材需要が落ち込んで大径材の行く先がチップ用や合板しかなくなっていた。中国にも販路を広げて材価を上げ、山の価値を高めたい」と狙いを語っている。
同県からの中国輸出は、九州地方などからの輸出と比べると物流コストが嵩むが、水野社長は、「輸出価格は土場渡し1万円前後。まず小名浜港(いわき市)から毎月500m3を継続的に出荷し、徐々に輸出量を増やしながらコスト競争力をつけていく」との方針をとっている。
同社は、国(林野庁)が推進している「新しい林業」モデル実証事業*2の実施主体に選定され、低コスト林業を実践する「古殿モデル」*3の構築にも取り組むなど先駆的な活動を続けている。
(2023年12月5日取材)
(トップ画像=中国への原木輸出で合意した関係者、画像提供:サンライフ)
『林政ニュース』編集部
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