柏市の英国名門スクールに“木の食堂棟” 木造トラスで大空間、外装に屋久杉など

柏市の英国名門スクールに“木の食堂棟” 木造トラスで大空間、外装に屋久杉など

千葉県柏市の千葉大学柏の葉キャンパス内にある英国の名門インターナショナルスクール「Rugby School Japan(ラグビースクールジャパン)」の食堂棟が国内外の木材を活用して建設され、昨年(2023年)12月14日に報道陣に公開された。同スクールは、英国の名門9校で構成する「ザ・ナイン」の一角をなし、ラグビー発祥の地としても知られる。昨年9月に日本での初開校を果たし、海外進出としては2校目となっている。

昨年10月に竣工した食堂棟は、RC(鉄筋コンクリート)造と木造の混構造で建設されており、建築面積は1,248.02m2、延床面積は1,468.33m2。施工主は三井不動産(株)(東京都中央区)、設計施工は三井ホーム(株)(東京都新宿区)が担当した。

最大の特色は、木造トラスの小屋組みによって無柱大空間のダイニングルームを構築していること。小屋組みのスパンは約26m、最高天井高は約8.1m、面積は525m2と開放感が高い。トラスには、ベイマツ集成材を約55m3使用した。

また、正面玄関の外壁に屋久杉、内部天井の一部に飫肥杉を用いるなど、国産材の活用も進めている。

左右対称のデザインで「ハリーポッター」調に、仕上げの塗装は“黒”

食堂棟は「伝統と革新」をコンセプトにしており、英国名門校の伝統的な様式を踏襲しながら現代的建築技術との融合を図っている。

トラスのベイマツ集成材は黒く塗装した

内部は左右対称のデザインとし、トラスに沿ってテーブルなどを縦に直線的に配置することで、ファンタジー映画「ハリーポッター」を連想させる空間をつくり出している。トラスに用いた集成材はあえて黒系の塗装とし、教会の天井のように仕上げた。三井ホームの担当者は、「日本では木肌を見せることを重視するが、海外では色をつける仕上げが多用される。これから手がける中大規模木造建築物でもそれぞれの良さを引き出していきたい」と話している。

(2023年12月14日取材)

(トップ画像=シンメトリーなダイニングルーム)

『林政ニュース』編集部

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