建設現場(オンサイト、on-site)から離れた場所(オフサイト、off-site)にある工場などで住宅を構成するユニットをつくり、施工現場まで輸送して短期間で組み立て・完成させる「オフサイト建築方式」への注目度が高まっている。とくに、災害時の木造応急仮設住宅をスピーディに提供する手法として有効とみられており、国会議員が超党派で普及を後押ししている。
オフサイト建築方式の木造応急仮設住宅は、一般社団法人日本オフサイト建築協会(東京都千代田区、代表理事=長坂俊成・立教大学教授、旧・日本モバイル建築協会)が開発したもので、通常は住宅や福祉施設、店舗・事務所などとして利用し、災害発生時には解体して被災地に輸送して仮設住宅を迅速かつ大規模に整備することが構想されている。これまでに「令和6年能登半島地震」の被災地で8団地・261戸を建設した実績がある。
同協会によると、オフサイト建築方式による木造応急仮設住宅は建築基準法に適合しており、誰でもつくれるオープンな工法となっている。特許等の排他的な技術は採用せず、設計ノウハウや施工方法などを全国の地域工務店に無償で提供する方針をとっている。
国会議員が超党派で普及を後押し、防災庁が目指す「フェーズフリー」を体現
超党派の国会議員有志でつくっている「国産材を活用した応急仮設住宅を推進する会」は、6月8日から12日まで東京都千代田区の衆議院分館東側駐車場で、オフサイト建築方式による木造応急仮設住宅の展示会を開催した。披露されたのは、2LDK・約56m2(約17坪)の仮設住宅で、箱型の木造ユニット(約6・4m×約2・2m)を4つ連結して組み立てた。建築材料には国産のスギ・ヒノキを100%使用しており、電源は電気自動車から供給するなど環境にやさしい建物であることもアピールした。

「推進する会」の発起人代表である田野瀬太道氏(自民党)は、オープニングセレモニーの冒頭に挨拶し、「ちょうど『防災庁』を新設する議論を行っているときに、この展示会ができたことの意義は大きい。展示している仮設住宅は、正味半日で完成した。1~2日程度で約1,000戸の仮設住宅を供給できる。普段から災害に備え、発生時には被害を最小限に抑えることに大きなソリューションをもたらし、国産材の需要拡大にもなる」と強調した。

また、防災担当の内閣府副大臣・津島淳氏(同)も駆けつけ、「防災庁の新設に向けた考え方は『フェーズフリー』であり、有事と平時の切れ目をなくしていきたい。それを体現したのがこの建物であり、普段使いをしていざというときは復興の足がかりになる。全国に普及するお手伝いをしたい」と意欲を語った。
(2026年6月8日取材)
(トップ画像=4つのユニットを連結した木造応急仮設住宅、価格は1,500万円~1,800万円)
『林政ニュース』編集部
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