農林水産省は、昨年度(2020年度)に行った「森林資源の循環利用に関する意識・意向調査」の結果を2月26日に公表した。
同調査は5年ごとに行われており、今回は昨年10月中旬から11月上旬にかけて実施し、林業者690経営体、流通加工業者466事業所、消費者1,000人から回答を得た。
林業者に「経営規模をどうしていきたいか」を聞いたところ、「現状維持」の回答が過半を占めたものの、「林業経営をやめたい」と「経営規模を縮小したい」で4割近くに達し、「経営規模を拡大したい」との回答は2.5%にとどまった(トップ画像参照)。保有森林の取り扱いについては、「価値がつくのであれば、売却したい」が46.7%で最も多く、「手放すつもりもないが、管理の委託等もしない」(25.5%)、「手放すつもりはないが、管理は委託したい」(15.1%)が続いた。
伐採業者や森林組合などに期待する役割では、「木材を高く販売すること」(52.5%)との回答がトップ、次いで、「植付や間伐等の個々の作業を引き受けること」(37.8%)、「長期にわたり、各種の作業を一括して引き受けること」(37.2%)の順だった。
このほか、調査対象林業者の森林認証の取得割合は2.8%にとどまり、ICT技術については「まったく取り入れていない」との回答が65.7%に上るなど、経営意欲の低下が窺える結果となった。
流通加工業者の調査結果では、「国産材のみ使用している」との回答が37.6%と最も多く、「半分以上は国産材」(20.6%)を加えると6割近くに上った。経営上の問題については、「木材全体の需要が減少していること」(58.6%)、「販売価格が低いこと」(45.1%)、「原材料が安定的に確保できないこと」(29.4%) などがあがり、木材利用を拡大するには、「木材製品を安定的に供給できる体制を整備すること」(44.8%)との回答が最多だった。
一方、消費者に森林に期待する働きを聞いた結果では、「山崩れや洪水などの災害を防止する」(46.4%)、「水資源を蓄える」(43.5%)、「地球温暖化防止に貢献する」(34.2%)などの割合が高く、「木材を生産する」との回答は17.0%で5番目だった。
(2021年2月26日取材)
(トップ画像=「今後、森林の保有面積、雇用人数、機械台数等の経営規模をどうしていきたいか」という等に対する回答割合)
『林政ニュース』編集部
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