東日本大震災から10年、福島県の復旧・復興は未だ途上

福島県 災害 特用林産

林野庁は、2011年の東日本大震災から10年が経過した福島県の森林・林業の状況をまとめ、3月1日に公表した。

同県の森林整備面積は、震災前の1万2,658ha(2009年時点)から2019年には5,707haへとほぼ半減しており、林業産出額も伸び悩んでいる(トップ画像参照)。

復旧・復興を進める上で、依然として懸念材料となっているのが放射能問題だ。東京電力福島第1原子力発電所の事故によって拡散した放射性セシウムの空間線量率は3.05μSv/hから0.89μSv/hへ減少したが、地中には放射性セシウムが滞留している。

こうした中、同県では木材製品の安全性を確保するため、放射性物質の自動測定装置を開発し、原木市場や製材工場に設置して、安全証明体制を構築。2013年8月には約8万4,000tに上っていたバーク(樹皮)滞留量も、廃棄物処理施設での焼却や運搬、一時保管費用の立て替え支援などを行うことで解消されてきている。今後、木材加工工場の操業が活発化するとバークの排出量も増えるので、燃料や農業用敷料などとして有効活用することが検討されている。

バークの滞留量の推移

同じく放射能汚染の影響を受けた特用林産物に関しては、2013年に栽培管理のガイドラインを制定して安全対策を徹底し、菌床しいたけの生産量は震災前と同水準まで回復してきた。しかし、原木しいたけの生産量は震災前の約40%にとどまっており、昨年末時点で6県93市町村に出荷制限がかかっている。早期の制限解除と産地再生を継続的に支援する仕組みが必要な状況になっている。

(2021年3月1日取材)

『林政ニュース』編集部

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