ナイスの筆頭株主にヤマダ、不祥事に区切りつけ新段階へ

昨年(2020年)3月に組織体制を一本化して再出発したナイス(株)(神奈川県横浜市、杉田理之社長)*1は、7月16日に家電量販店大手の(株)ヤマダホールディングス(群馬県高崎市、三嶋恒夫社長兼CEO)と資本業務提携を結んだ。ヤマダHDを引受先とする第三者割当増資を行って約37億5,400万円を調達し、物流網の再整備やケーブルテレビ事業の刷新を行う。ヤマダHDはナイス株の18%強を保有し、筆頭株主になる。

2019年5月の粉飾決算事件*2で元代表取締役2名とともに起訴されたナイスは、今年3月、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で横浜地裁から罰金1,000万円の判決を言い渡され、控訴せずに確定した。

事件処理に区切りをつけたナイスは、創業70周年を迎えている今年度(2021年度)を「新創業の年」と位置づけており、ヤマダHDとの資本業務提携により新たな事業展開に踏み出す。家電販売で基盤を築いたヤマダHDは、エス・バイ・エル(株)や(株)ヒノキヤグループなどを子会社化し、(株)ヤマダホームズを設立するなど住宅関連事業を強化してきている。ナイスは、エス・バイ・エルの前身である旧・小堀住研時代から数十年来の取引関係があり、提携によって「多くの事業領域でシナジー効果が見込める」としている。ヤマダHDからの人材受け入れは予定していない。

ナイスは、新たに210万株(1株1,867円)を発行し、ヤマダHDが全株を引き受ける。第三者割当後のナイスの大株主と持株比率は上ののとおり。ヤマダHDが筆頭株主となり、今年3月末時点で筆頭だった技研ホールディングス(株)は第2位株主になる。なお、技研HDは、“兜町の風雲児”の異名がある佐々木ベジ氏が社長をつとめている。

『林政ニュース』編集部

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