宮崎県諸塚村のコナラとクヌギを使ったオリジナルギターが誕生した。
同県出身の木工職人で長野県松本市のギターメーカー・(株)ディバイザーから希少性の高いギターを世に送り出している高取裕二氏が手がけたもので、ボディトップと指板にコナラ、ボディバックにクヌギを用いた逸品。これからイベントなどでお披露目する機会を増やしていくことにしている。
同村は、県内有数のシイタケ産地であり、原木用のクヌギやコナラとスギなどの針葉樹が織りなすパッチワーク状のモザイク混交林で知られる。だが、高齢化等による担い手不足のため、近年は放置されたシイタケ原木林が大径化し、シイタケ栽培には向かないサイズにまで育ってしまうケースが増えてきている。
そこで同村では、「諸塚村どんぐり材プロジェクト」としてシイタケ栽培以外での原木の活用に取り組んでおり、昨年(2024年)4月に高取氏へクヌギとコナラの原板を提供。高取氏は、自身の思い入れが強い「ROSETTA FOREST モデル」の新作として約半年をかけてオリジナルギターを完成させ、11月17日に開催された「第73回諸塚村民文化祭」で披露された。
ギターのデザインでは、同県のシンボルであるブーゲンビリアやシイタケをあしらっており、「手づくりギターの素晴らしさを広く伝えていきたい」(同村産業戦略課新価値創造室)としている。
(2024年11月30日取材)
(トップ画像=ボディトップと指板にコナラを使用した)
『林政ニュース』編集部
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