再造林率向上目指し、先進技術を集約・体系化し普及を図る
全国の主伐面積に対して再造林率は約4割にとどまっており、立木販売収入を上げながら再造林コストを削減して収益構造を改善することが急務になっている。
2022年度の実績では、造林面積の半分強で省力・低コスト造林の取り組みが行われており(図参照)、この流れを加速化していく必要がある。具体的には、コンテナ苗の供給量アップや一貫作業の導入、エリートツリーや大苗の植栽などに加えて、ドローン造林や超低密度植栽の実用化などが重点課題になっている。
全国5か所でシンポジウム&現地検討会を行い現場ニーズを把握
林野庁は、初の「指針」策定に向けて、全国5か所でシンポジウムや現地検討会を行って、現場ニーズの把握に努めている。すでに「指針」の素案は固まっており、スギ・ヒノキ・カラマツの3樹種を対象にして、①機械による地拵え、②機械による苗木運搬、③コンテナ苗の植栽、④伐採と造林の一貫作業、⑤低密度植栽、⑥下刈り回数の削減、⑦下刈り面積の削減、⑧付帯施設整備での省力化──の8項目について要点などを解説し、作業システムに関する標準的な組み合わせも示すことにしている。
都道府県段階でも、8月時点で北海道や岩手県など13道県が省力・低コスト造林に関する指針をつくっており、林野庁が策定する「指針」と歩調を合わせながら全国的な技術レベルを高めていくことが期待されている。
(2024年11月11日取材)
『林政ニュース』編集部
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