通常国会に森林法改正案を提出、公表規定も新設
林地開発許可制度については、森林における太陽光発電事業の拡大に歯止めをかけるためにこれまでも見直しを行ってきており、2020年度には制度発足以来初めて許可基準を「1.0ha超」から「0.5ha超」に引き下げた*1。
“監視力”を強めていることで許可件数は10年前と比べて半減しているが(トップ画像参照)、依然として許可条件に違反する開発行為が発生している。
太陽光発電設備を設置する際に、防災施設の先行設置を許可要件にしていたにも関わらず、防災施設と伐採・パネル設置を同時に進めたため土砂が流出した事例や、違反状態にある土地がそれを知らない者に売却される恐れがあったケースなどが明らかになっており、「制度の実効性を高める仕組みが必要」(林野庁治山課)となっている。このため、森林法を改正して、許可条件違反者に対する罰則や命令違反者を公表する規定を新設する。
「集約化構想」の策定を推進、同意要件の一部緩和なども措置
森林経営管理法の改正では、地域の関係者が協議して「集約化構想」を策定した場合には経営管理権集積計画と経営管理実施権配分計画を一括でつくれる「新たな仕組み」を導入する*2。
また、市町村の事務等を支援する法人を制度的に位置づけて「集約化構想」に関する提案ができるようにするほか、経営管理権の設定に関する同意要件の一部緩和(間伐・保育は過半数の同意で可能)、所有者不明森林の特例等に関する手続きの迅速化(公告期間を6か月から2か月に短縮)、伐採・造林届出の一部省略(市町村が自ら伐採を行う場合は届出の対象から除外)などを措置して事務負担の軽減などを図ることにしている。
(2025年1月5日取材)
(トップ画像=林地開発許可の件数及び面積)
『林政ニュース』編集部
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