国産広葉樹の利活用促進へ新プロジェクトがスタート

国産広葉樹の利活用促進へ新プロジェクトがスタート

林野庁は、国産広葉樹の利活用を促進するプロジェクトを新たに立ち上げる。自然保護や円安の影響などで海外から広葉樹材を安定的に輸入することが難しくなっている現状を踏まえ、国内の里山に生育している広葉樹林の整備と伐出材の用途開発を進め、資源として循環利用することを目指す。戦後の林政は、針葉樹の利活用を基軸にして各種の施策や事業を行ってきた。国(林野庁)が広葉樹対策に本格的に着手するのは、実質的に初めてとなる。

林野庁が初の本格対策に着手、付加価値向上と需要拡大目指す

日本の森林総蓄積(56億m3)のうち広葉樹は16億m3で約3割を占める。だが、年間の素材生産量は170万m3で、用材に占めるシェアは6%にとどまっている(参照)。広葉樹材の用途は、木材チップ用が9割、製材・合板等用が1割となっており、付加価値を高めながら需要を拡大することが課題になっている。

「里山広葉樹利活用推進会議」(仮称)を新設

里山の広葉樹林は、かつては薪や肥料(落ち葉等)などの供給源として管理・利用されてきた。しかし、昭和30年代の燃料革命(石油など化石燃料への転換)以降は放置されがちになり、大径木化や衰弱が進み、ナラ枯れ被害なども発生している。

こうした現状にメスを入れる新たなプロジェクトは、有識者で構成する...

『林政ニュース』編集部

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