全国知事会の花粉発生源対策推進プロジェクトチーム(リーダー=伊原木隆太・岡山県知事)は、8月1日に対策の強化を求める要望書を織田央・林野庁長官に提出した。同プロジェクトチームは、2020年6月に39都府県が参加して発足し、県境を越えて飛散するスギやヒノキなどの花粉抑制対策を議論してきた。
2年間の検討成果を集約した要望書では、種子・穂木・苗木の安定供給体制づくりや、少(無)花粉品種と特定母樹の特性を併せ持つ新品種の開発、花粉発生量削減に関する取り組みの「見える化」、主伐・再造林の負担軽減──などを最重点項目にあげた。
林野庁は、2032年までにスギ苗木生産量の7割を花粉対策用に切り替える目標を設定しているが、「花粉の少ない森林への転換には膨大な時間と労力が必要」(要望書)であり、「我が国全体の花粉発生源対策の加速化を図る必要がある」(同)としている。なお、林野庁は、ドローンを使って空中からスギ林に花粉飛散防止剤を散布する実証実験を今年度(2022年度)中に始めることにしている。
(2022年8月1日取材)
(トップ画像=織田長官に要望書を手渡す伊原木リーダー(右))
『林政ニュース』編集部
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