2023年の木材総需要量が8,000万m3割れ、住宅着工減が響く 外材輸入が減り木材自給率は42.9%にアップ

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2023年の木材総需要量が8,000万m3割れ、住宅着工減が響く 外材輸入が減り木材自給率は42.9%にアップ

人口減に伴う新設住宅着工戸数の落ち込みなどで国内の木材需要量が減少している。林野庁が9月27日に公表した最新の「令和5(2023)年木材需給表」によると、2023年の木材総需要量は対前年(2022年)比6.1%減の7,985万3,000m3にとどまり、コロナ不況に見舞われた2020年以来の8,000万m3割れとなった。外材の輸入減が大きかったため木材自給率は2022年より2.2ポイントアップの42.9%に上昇したが、パイ(市場規模)が広がらない中では手放しで喜べない状況となっている。

建築用材等の需要量が大幅減、13年連続増の国産材供給量は0.1%減に

2023年は、製材・合板などの建築用材等の需要量が対2022年比18.9%減の2,926万4,000m3へ約682万m3も減少したことで総需要量が縮小した。一方、パルプ・チップや燃料材などの非建築用材の需要量は同3.3%増の5,058万9,000m3に増加。とくに、木質バイオマス発電などに用いられる燃料材(木材チップや木質ペレットなど)の需要量は16.9%増の2,020万3,000m3に伸び、1960年代の「エネルギー革命」以降では初めて2,000万m3を超えた。

供給面では、国内生産量(国産材供給量)が同1,0%減の3,425万6,000m3に微減した。国内生産量は、2022年まで13年連続で増えていたが、ここで頭打ちとなった。また、外材の輸入量は同9.7%減の4,559万4,000m3へと大幅に減少し、相対的に国産材のシェアが高まった。

高度経済成長期に匹敵する木材自給率まで戻したが、目標達成は至難の業

木材自給率は、2002(平成14)年に過去最低の18.8%を記録したが、2022(令和2)年以降は4割台に戻している。2023年の42.9%という数値は、1972(昭和47)年の42.7%を凌ぐ高水準だ。ただし、1970年代の木材総需要量は1億m3を超えていた。当時は高度経済成長期で人口も増え、パイが膨らむ勢いがあった。

これに対し現在は、人口減少などにより右肩上がりのシナリオが描きにくい。その中で、2021(令和3...

『林政ニュース』編集部

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