10月30日に兵庫県内の西播磨会場と但馬会場で、スギを横架材として利用するために開発された仕口「Tajima TAPOS(但馬テイボス)」を使った木造施設の構造見学会が開催された。
「Tajima TAPOS」は、兵庫県立農林水産技術総合センター森林林業技術センターが、但馬木造住宅振興協議会からの要望を受けて開発した高強度の梁桁仕口形状とその加工技術。プレカット加工の仕口形状を、在来のU字型からV字型に改良し、木材が持っている繊維方向の強さ(強度異方性)を発揮させることで、仕口の強度を飛躍的に高めることができる。とくに、スギ材を横架材に使用する際にメリットがあり、施工の迅速化や省力化、小屋梁の本数削減による材料経費の節減なども期待できる。
兵庫県は、「Tajima TAPOS」と、但馬木造住宅振興協議会が開発したスパン表ソフト「簡単部材算定」を併用して普及を進め、木造住宅の横架材を外材から県産スギ材に代替していくことを目指している。「Tajima TAPOS」に関する技術は特許を出願済み(出願人=兵庫県)で、兵庫県内のプレカット工場(高柴林業(株)=豊岡市)、久我木材工業(株)=宍粟市・本社:大阪市)及びプレカット機械メーカー(キクカワエンタープライズ(株)=伊勢市、宮川工機(株)=豊橋市)と特許等実施許諾契約を締結している。また、「TAPOS」は、商標を出願中。問い合わせは、兵庫県森林林業技術センター(■0790-62-2118)へ。
(2014年10月30日取材)
(トップ画像=2つの会場で行われた見学会には、60名以上が参加した、画像は西播磨会場)
『林政ニュース』編集部
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