青森県の南部町で、地元の金融機関による協調融資を得ながら小規模木質バイオマス発電所を立ち上げるプロジェクトが進んでいる。八戸市に本社を置く(株)曽我産業(曽我浩昭社長)が100%出資する曽我バイオマス発電(株)が事業主体となり、南部町にあるチップ工場敷地内に出力1,990kWの発電所を建設し、2024年12月から商業運転を始める計画。燃料は未利用木材を中心とし、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)で最も買取価格の高い40円/kWhでの売電を目指す。
曽我産業は、「建設工事部門」のほか「伐採・林業部門」や「薪・チップ販売部門」などを有し、間伐材や建設廃材を収集・チップ化して、複数のバイオマス発電所に販売する事業を行っている。枝葉や根などもチップ化する高度な技術力を持っており、これまで培ってきたノウハウやネットワークを活かして、自ら未利用木材の有効利用に乗り出すことにした。
木質バイオマス発電所の新設に必要な総事業費は約20億円を見込んでおり、円滑な資金調達が課題となるが、地元の(株)青森銀行などは総額19億5,000万円のシンジケートローンを組んで資金支援すると8月31日に発表した。同日付けで約4億円の協調融資を行い、今後も段階的に融資をしていく予定。シンジケートローンには、青森銀行のほか、青い森信用金庫、(株)岩手銀行、(株)七十七銀行、(株)商工中金中央金庫、(株)みちのく銀行が参加している。
(2022年8月31日取材)
(トップ画像=木質バイオマス発電所の完成イメージ、発電プラントは(株)タクマが受注した)
『林政ニュース』編集部
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