人工光と自然光の“いいとこどり”でカラマツ苗木を年間1万本生産─大林組

人工光と自然光の“いいとこどり”でカラマツ苗木を年間1万本生産─大林組

(株)大林組(東京都港区、蓮輪賢治社長)は、人工光と自然光を組み合わせた「ハイブリッド型苗木生産システム」を開発し、カラマツ苗木の生産を始めた(8月2日に発表)。鳥取県日南町の「日南町樹木育苗センター」の一角にパイロットプラントを設け、6月から苗木の育成に着手しており、年間に約1万本の供給を計画している。

同社は昨年(2023年)、人工光を用いて苗木の育成期間を短縮する技術を開発し、今年(2024年)2月からこの技術で育てた苗木を植林している。これを踏まえて新たに開発した「ハイブリッド型苗木生産システム」は、自然光と人工光の“いいとこどり”を目指すもので、外的環境の影響を受けやすい幼苗期は人工光で育成した後、露地栽培による自然光育成に切り換えることで、全過程で人工光育成をするよりもコストを約6分の1に抑えられる。また、成長スピードが落ちる冬季に人工光育成を取り入れることで、出荷までの期間を最長2年から最短6か月に短縮できると見込んでいる。  

なお、操業3年目に入っている「日南町樹木育苗センター」では現在、カラマツと少花粉スギの苗木(コンテナ苗)を約15万本育てており、今年度(2024年度)中に約10万本を出荷することを予定している。地元の関係者は、「ほぼ計画どおりに増産できている」と話している。

(2024年8月2日取材)

(トップ画像=温度・湿度、培地への潅水などの環境を制御し人工光で行っている苗木の育成、画像提供:大林組)

『林政ニュース』編集部

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