鳥取県の日南町に最新設備を備えた「日南町樹木育苗センター」が完成し、昨年(2021年)12月22日に竣工式が行われた。カラマツ、少花粉スギ、ヒノキのコンテナ苗を年間12万本育て、供給する。同県内に量産型のコンテナ苗生産施設ができたのは初めて。今後も段階的に設備を拡充していき、2024年度には約20万本の生産体制を確立する計画だ。
同センターは、町と日南町森林組合が出資している(株)ウッドカンパニーニチナン(秋末光司社長)が建設し、運営も担う。廃校になっていた幼稚園・小学校を再利用し、グラウンドに育苗・作業棟(面積693m2)と屋外養生スペース(同426m2)などを整備したほか、幼稚園舎を改修して事務所に、体育館をリニューアルして倉庫にしている。総工費は約1億円。
同センターの建設にあたっては、岐阜県下呂市や福島県南会津町でコンテナ苗の量産施設*1*2を操業している(株)住友林業から技術指導を受け、ICT(情報通信技術)等を活用した最新鋭の生産ラインを整備した。
林業用種苗施設では珍しい「発芽室」を設け、一度に最大約14万個体の発芽を可能にした。半自動播種機も併用することで、手作業での種播きと比べて生産能力は5~10倍にアップする見込みだ。また、1人で1,200本以上のコンテナ苗を移動できるムービングベンチや、自走式潅水機、空調機による温度調節の自動化などを通じて、労働負担の軽減と苗木の成長促進を両立させることにしている。従業員は2名を新規採用し、播種や出荷時にはパート社員を2~3名採...
『林政ニュース』編集部
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