石川県内の林材業者らは、森林所有者等の主伐・再造林を支援するため「石川県森林資源循環利用促進基金」を創設し、今年度(2021年度)から運用を始めた。年間400万円を目標に基金を造成し、1ha当たり12万円を助成して植栽費等の負担軽減を図る。
同基金の事業スキームは、トップ画像のとおり。原木の出荷・購入者と木材市場が前年度の取扱量に応じて1m3当たり20円の協力金を拠出するほか、趣旨に賛同する者からも1口10万円の任意拠出を募り、基金を造成する。これを原資に、伐採・植栽を行った森林所有者に対して「植替協力金」として1ha当たり12万円を助成する。また、伐採後1年以内に植栽を行うことを条件に、伐採事業者についても「植替促進費」として同額の支援を行う。
スタート時の協力金拠出者は、木材市場を運営する県森林組合連合会(金沢市)、製材・建築業を営む(株)シモアラ(加賀市)、合板メーカーの林ベニヤ産業(株)七尾工場(七尾市)及び県山林協会(金沢市)で、今後、林材業関係者らに広く参画を呼びかけていく方針。同基金の管理は県山林協会が行う。
同基金による助成によって、年間28ha程度の伐採・植え替えが進み、県産材供給量が1万m3程度増える見込み。植栽樹種は、スギ、ヒノキ、アテ、広葉樹等としている。
(トップ画像=「石川県森林資源循環利用促進基金」の事業スキーム)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。