外材価格の高騰と品不足が業界を揺さぶり続けている。
4月6日に開催された東京木材問屋協同組合・木材価格市況調査委員会では、米マツ製品の評定価格(m3当たり)が8万円台に乗り、SPFディメンションランバーも前月から1本170円のアップ、欧州ホワイトウッド間柱、管柱も4か月連続の値上げとなった。2~3月と横ばいだった国産材もスギ、ヒノキ製品で2,000~3,000円の値上げとなり、出席者からは、「外材はモノがない。国産材をどう使っていくかにフェーズは移った」、「長年木材関連の仕事をしてきたが、こんな状況は初めて」との声が出た。
米材・欧州材にとどまらず、ロシア材を巡る状況も混沌としている。米国の林業専門研究機関であるウッド・リソーシス・インターナショナルによると、ロシア政府は2022年から丸太輸出を禁止し、グリーン(未乾燥)針葉樹製材品の輸出量を減らす規制の導入を検討している。国境措置を厳しくして、自国内における高付加価値製品の生産を活性化する狙いがある。
丸太禁輸などが実施されると、直接的には中国の木材業界が最も大きな打撃を受けるとみられる。中国は、主に極東ロシアから針葉樹丸太を輸入しているからだ。ただ、影響はそれだけにとどまらない。中国は、ロシア丸太の不足を補うために、オセアニアや欧州、米国からの買い付けを増やすだろう。これらの市場で丸太獲得競争が一段と激しくなり、玉突き現象のように各国の丸太や製品価格の引き上げ要因になるとみられている。
『林政ニュース』編集部
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