(中編)米国最新事情 日本の脅威になる産地は?【遠藤日雄のルポ&対論】

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(中編)米国最新事情 日本の脅威になる産地は?【遠藤日雄のルポ&対論】

前編からつづく)米国南部に約2,000万haにわたって広がるサザンイエローパインの人工林は、成長が早く、世界屈指の市場競争力を持つとされる。その最新状況を掴むため、日本木材輸出振興協会の山田壽夫会長は、サザンイエローパインの人工林面積が最大のジョージア州を訪ねた。そこでは、40年生以下で収穫する短伐期林業が行われ、日本の約5倍の苗木本数に相当する規模の植林も実施されていた。では、この豊富な人工林から供給される木材は、どのようなユーザーに届けられているのか。また、日本のマーケットに及ぼす影響はどう考えられるのか。遠藤日雄・NPO法人活木(いきいき)森ネットワーク理事長が問う。

工場から75km圏内で丸太集荷、工場までのコストは1,400円以下

遠藤理事長

ジョージア州では、伐出コストも低く抑えられているということだが、現場の状況はどうなっているのか。

山田会長

現地の関係者の話では、ジョージア州の伐出労働者は約3,500人、トラック運転手は約3,000人であり、これだけの人員で効率的な作業を行っているということだった。
実際に伐出現場を視察したが、作業員は3人だけだった。ハーベスタやフェラーバンチャで伐採し、フォワーダやスキッダで集材し、大型トラックに積み込むという非常にシンプルで、日本と比べるとかなり荒っぽい作業が行われていた。

遠藤日雄(えんどう・くさお)

NPO法人活木活木(いきいき)森ネットワーク理事長 1949(昭和24)年7月4日、北海道函館市生まれ。 九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士(九州大学)。専門は森林政策学。 農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所(筑波研究学園都市)経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長、鹿児島大学教授を経て現在に至る。 2006年3月から隔週刊『林政ニュース』(日本林業調査会(J-FIC)発行)で「遠藤日雄のルポ&対論」を一度も休まず連載中。 『「第3次ウッドショック」は何をもたらしたのか』(全国林業改良普及協会発行)、『木づかい新時代』(日本林業調査会(J-FIC)発行)など著書多数。

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