2025年度予算要求の目玉は集積・集約化対策 花粉症対策を継続、「強靭化」は事項要求

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2025年度予算要求の目玉は集積・集約化対策 花粉症対策を継続、「強靭化」は事項要求

8月末の来年度(2025年度)予算概算要求に向けた林野関係の主要事項が固まった。「カーボンニュートラルの実現」と「花粉症解決に向けた森林・林業・木材産業総合対策」をメインテーマに掲げ、森林経営管理法の改正*1*2を念頭に、循環利用に取り組む林業経営体への森林の集積・集約化対策を目玉要求に位置づける。

また、国産材の安定供給に向けた生産基盤の強化や林業のデジタル化、JAS構造材やCLTの建築物への利用促進、「緑の雇用」等による担い手の育成・確保、山村地域の活性化などの事業を継続するほか、昨年度(2023年度)から重点を置いている花粉症対策についても伐採・植え替えの加速化やスギ材需要の拡大、少花粉苗木の増産などに取り組む方針だ。

林野予算の主力である公共事業に関しては、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の一環として所要額の確保を目指す。同対策に必要な経費は今年度(2023年度)補正予算で措置される見通しとなっているため、8月末の概算要求時には金額を明示しない事項要求とする。同対策は来年度末で期限切れとなることから、政府・与党は後継対策の検討に着手している。山地災害の多発を踏まえて、森林整備・治山事業の重要性を広く訴え、災害予防や復旧・復興に必要な予算を獲得することが重要になる。

森林経営管理法の改正に先立ちモデル地区での先行対策を検討

来年度予算要求の目玉に据える森林の集積・集約化対策は、政府が6月に閣議決定した「骨太の方針2024」でも重点課題に明記された。ただ、根拠法である森林経営管理法の改正は来年の通常国会で行われ、施行は再来年度(2026年度)になるとみられる。このため、来年度予算では法改正を前提とした先行対策を措置することが検討されており、モデル地区を設定して再造林支援策を強化することなどが議論されている。

(2024年7月30日取材)

『林政ニュース』編集部

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