「盗伐」が全国的問題に浮上、実態把握へ 宮崎県で異例の逮捕、2月末まで調査

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森林所有者などに無断で伐採を行う「盗伐」が全国的な問題として浮上してきた。斉藤健農相は、2月6日の閣議後記者会見で、「盗伐」に関する全国的な調査を実施すると表明。林野庁は、都道府県を通じて市町村から実態の聞き取りを行っており、2月末までに結果をまとめることにしている。

「盗伐」問題がクローズアップされるきっかけとなったのは、昨年(2017年)10月に宮崎県内で発生した事件。伐採仲介業者が伐採届(伐採及び伐採後の造林の届出書)を偽造して市町村に提出し、森林所有者の許可を得ずに伐採業者に伐採を行わせたことが発覚。有印私文書偽造・同行使、森林法違反(森林窃盗)の疑いで3人が逮捕された。

同県では、昨年(2017年)9月に「盗伐被害者の会」が結成され、無断伐採や誤伐などが多発していると告発されていたが、逮捕者が出るほどの悪質な事件が明るみになり、対策の強化が叫ばれるようになった。

森林法では、民有林の立木を伐採する際に、森林所有者等が伐採開始予定日の90~30日前に市町村長に伐採届を提出することを義務づけている(同法第10条の8第1項)。これを怠って伐採した場合は、100万円以下の罰金を科す規定もある(同法第208条第1号)。だが、人の目に触れづらい山中で行われる伐採行為には、もともと合法性のチェックがかかりにくい。所有者不明森林の増加や、境界の不明確化なども相俟って、意図的な無断伐採なのか、過失による誤伐なのか判然としない場合もある。また、当事者間で問題の収拾を図り、事件として露見しないケースもあるとみられる。

「盗伐」問題は国会でも指摘されており、林野庁はこれまでも森林法の適切な運用を都道府県に依頼してきたが、2月中旬の担当者会議で再度の要請と実態調査...

『林政ニュース』編集部

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