スギから得られる新素材「改質リグニン」*1を活用した産業創出を目指す産官学の新組織「地域リグニン資源開発ネットワーク(通称「リグニンネットワーク」)が発足した。4月16日に東京都内で同ネットワークの設立総会を開催し、代表に山田竜彦・森林総合研究所新素材研究拠点長が就任したほか、幹事に蛯名武雄・産業技術総合研究所首席研究員、宮藤久士・京都府立大学教授兼副学長、桃原郁夫・森林総合研究所研究コーディネーターの3名が選任された。発足時点の会員数は、法人43機関、個人38名、オブザーバー7機関で、化学・食品など異業種関係者も含まれている。来年度末までは会費を無料にして広く参加企業等を募る。
同コンソーシアムは、2014年度から2018年度まで実施された内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)による研究成果と推進体制(研究コンソーシアム「SIPリグニン」)を引き継ぎ、1,000億円以上の市場規模とも試算されている改質リグニンのビジネス展開を図る。当面は、展示会への出展や、会員用セミナー・シンポジウムの開催、ウェブサイトの開設、パンフレットの作成及び配布などの普及活動に力を入れていく方針だ。
山田代表は就任挨拶で、「本ネットワークは人と人との繋がりの構築を進めることを目的にして結成した。皆様方と一緒に日本独自の『新たな産業の扉』を開けたい」と呼びかけた。
(2019年4月16日取材)
『林政ニュース』編集部
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