木青連全国会員大会を初めて高知県で開催 島田会長が新方針を示す、テーマに「結」

木青連全国会員大会を初めて高知県で開催 島田会長が新方針を示す、テーマに「結」

日本木材青壮年団体連合会(木青連、東京都江東区)は、6月3日に高知県高知市で「第68回全国会員高知大会」を開催し、約550名が参加した。木青連の全国大会が高知県で実施されたのは初めて。4月1日付けで今年度(2023年度)の会長に就任した長野県の島田直政氏((株)第三木材代表取締役、45歳)による所信表明や記念講演などが行われた。

島田会長が社長をつとめる第三木材は、長野県東御市で国内外の木材製品や防腐・防火処理製品の取り扱いから中大規模建築の木工事まで手がける木材総合企業。木青連会長の任期は1年(交代制)で、島田会長は64代目となる。

垣根を超え関係団体と連携、会員を拡大し経営基盤の強化へ

島田会長は、今年度のテーマに「『結-ゆい-そして次世代へ』〜会員同士が支え合える日本木青連をめざして〜」を掲げ、①会員拡大、②経営基盤強化、③歴史ある事業の継続──の3つを重点課題に据えた。

第64代木青連会長の島田直政氏(第三木材社長)

①木青連の会員数は、ピーク時の約2,000から現在は約800にまで減少している。島田会長は、「これまでの取り組みだけで会員数を増やすのは難しい。抜本的な改革が必要」と述べ、「各都道府県の木材組合連合会や林業経営者協会などと連携し、組織の垣根を超えて会員を拡大していこう」と呼びかけた。島田会長の地元・長野県では、6月に県木材協同組合連合会内に青年部会が設置され、県木材青壮年団体連合会と連携を深めることにしており、同様の取り組みを横展開する方針だ。

②経営基盤の強化については、定期的な勉強会を計画するほか、会員同士が情報交換等をしやすいオンラインサロンを立ち上げた。

③歴史ある事業に関しては、例年開催している「木材活用コンクール」と「全国児童・生徒木工工作コンクール」を継続するとともに、川井博貴・直前会長の下で設けた「サプライチェーンマネジメント(SCM)推進委員会」と「コラボレーション(コラボ)推進委員会」の事業を発展させる。SCM推進委がリニューアルした会員検索システムの普及を図るとともに、コラボ推進委が主導して3月に全国木造建設事業協会と締結した協定を他の団体にも広げていくことにしており、島田会長は、「あらゆる垣根を越えて、次世代の経営者を育成する組織を目指したい」と強調した。

Port Plus(ポートプラス)」が大臣賞と木青連会員賞をダブル受賞

全国大会に併せて、「第26回木材活用コンクール」と「第47回全国児童・生徒木工工作コンクール」の入賞作品が発表された。

農林水産大臣賞を受賞した「丸太を運ぶトラック」

「木材活用コンクール」の農林水産大臣賞・木青連会員賞(最優秀賞)は、11階建て純木造建築物の「Port Plus 大林組横浜研修所」が、また、国土交通大臣賞(同)は、CLTを活用した高層ハイブリッドホテルの「ザ ロイヤルパークキャンバス 札幌大通公園」が受賞した。

文部科学大臣賞を受賞した「狐とコロポックルの輪舞曲」

「全国児童・生徒木工工作コンクール」では、農林水産大臣賞(同)に岩手県葛巻町立江刈小学校3年・谷山大也さんの「楽しいまき木きん」、三重県松阪市立柿野小学校5年・堀川琥立さんの「丸太を運ぶトラック」、和歌山県新宮市立光洋中学校1年・西亜紀人さんの「木のシャツ」が選ばれた。また、文部科学大臣賞(同)は、岩手県紫波町立紫波第三中学校1年・2年の高橋空璃さん・浅沼空美さん・小田中優奏さん・佐藤美結さん・中村楓花さんによる「狐とコロポックルの輪舞曲」が受賞した。

(2023年6月3日取材)

『林政ニュース』編集部

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