木青連全国大会を22年ぶりに長野県で開催 甲村新会長(奈良県)が「正しい姿勢」強調

木青連全国大会を22年ぶりに長野県で開催 甲村新会長(奈良県)が「正しい姿勢」強調

日本木材青壮年団体連合会(木青連、東京都江東区)は、6月8日に長野市芸術館(長野県長野市)で「第69回全国会員長野大会」を開催し、全国から約500名が参集した。

同大会が長野県で行われたのは22年ぶり。4月1日付けで今年度(2024年度)の会長に就任した奈良県の甲村耕三氏(甲村ハウジング(株)代表取締役)が所信表明を行い、今年度のテーマとして「正しい姿勢で」を掲げ、木青連の活動や仕事、事業に対して、「正しい姿勢で取り組めているかを自分に問うことが大事だ」と強調した。また、テーマ別に設けている委員会を中心に、会員相互が学べる研修会や交流会などを増やしていく方針を示し、具体例としてスタートアップ委員会が人材養成講座「Bundle(」を開講したことをあげ、「起業家や若手が入ってきやすい環境をつくっていく必要がある」と訴えた。

甲村耕三・日本木材青壮年団体連合会長

甲村会長が社長をつとめる甲村ハウジング(大和高田市)は、製材加工から設計・施工管理、内装木工事まで手がけており、主にゼネコン向けのビジネスを行っている。木青連会長の任期は1年(交代制)で、甲村会長は65代目。

全国大会の恒例行事である記念講演会では、お笑い芸人の厚切りジェイソン氏を講師に招き、初めて一般の人も参加できるようにした。昨年度(2023年度)の会長をつとめた島田直政氏*1は、「会員以外にも開かれた大会にして、林業や木材の魅力を知ってもらえる機会にした」と狙いを口にした。

昨年度の主要テーマに位置づけていた会員数の拡大では、長野県木材協同組合連合会内に青壮年部会を創設し、47名が入会した。島田氏は、「今後も会員拡大に向けて後方支援を行っていきたい」と話している。

初めての内閣総理大臣賞に徳島県の木造4階建て公共集合住宅

全国大会に併せて、「第27回木材活用コンクール」と「第48回全国児童・生徒木工工作コンクール」の入賞作品が発表された。

「木材活用コンクール」で新設した内閣総理大臣賞(最優秀賞大賞)は、木材を(あらわ)しで用いた4階建て公共集合住宅「徳島県新浜町団地県営住宅2号棟」が受賞。また、農林水産大臣賞(最優秀賞)には、ムク(無垢)材4階建て木造ビルの「睦モクヨンビル」、国土交通大臣賞(同)には、三菱地所(株)が独自工法で建設した「江北小路」がそれぞれ選ばれた。

内閣総理大臣賞に選ばれた「徳島県新浜町団地県営住宅2号棟」

「全国児童・生徒木工工作コンクール」では、農林水産大臣賞に、栃木県那須塩原市立大山小学校2年・佐川諧生さんの「とびだす絵本」、三重県紀宝町立神内小学校5年・野地哲平さんの「ピザの斜塔」、秋田県立横手清陵学院中学校3年・小松湊悟さんの「万能ワークベンチ」を選定。文部科学大臣賞は、岐阜県下呂市立萩原小学校4年・田中遥仁さんの「世界遺産『合掌造り』」が受賞した。

長野市と「桜スクエア森林フェア」を共催、交流の輪を広げる

全国大会の関連イベントとして、長野市芸術館に隣接する長野市役所第1庁舎西側広場で、「桜スクエア森林フェア」をオープンな形式で実施した。

木青連と長野市が共催し、中部森林管理局、長野県木材協同組合連合会、長野県森林組合連合会などがブースを設けて、林業機械の実物展示やシミュレーター体験、しいたけの駒打ちや木工クラフトなどの参加型プログラムを数多く用意し、多くの来場者と交流を深めた。

(2024年6月8日取材)

『林政ニュース』編集部

1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしていきます。

この記事は有料記事(1468文字)です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
詳しくは下記会員プランについてをご参照ください。