建築物LCA制度を導入へ、根拠法が成立し2年以内に施行

全国 建設 法律・制度

建築物の原料調達から廃棄に至るライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)の排出削減を目指す新制度の導入を盛り込んだ改正建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部改正法)が7月24日の参議院本会議で賛成多数で可決され、成立した。改正後の名称は、「建築物のエネルギー消費性能の向上及び脱炭素化の促進に関する法律」とし、公布から2年以内に施行する。

同法に基づいて新設する「建築物のライフサイクルカーボン評価制度」は、建築物LCA制度や建築物LCCO2評価制度とも略称され、政府が法制度化に向けた検討作業を進めてきた*1

同法の施行後は、延床面積5,000m2以上の大規模事務所(オフィスビル等)の建築主に対して、同制度の評価結果を国に届け出ることを義務づける。また、延床面積にかかわらず、すべての建築物(住宅・非住宅)についても同制度の評価を建築主の努力義務とし、設計を受託した建築士は評価に必要な説明を建築主に行う義務を負う。国は、同制度の実施に向けて統一的な算定ルールを策定し、登録機関による第三者認証や登録制度も設けて、CO2削減効果を“見える化”する仕組みをつくる。

環境にやさしい「木材」の優位性を活かせるか

法定化された建築物LCA制度の運用が始まると、製造・廃棄過程を通じてCO2排出量の少ない材料が選ばれるようになる。自然素材の木材は、鉄やコンクリートなどと比べてCO2排出量が少ないので優位性が高まる。

ただし、CO2排出量の少なさを同制度の枠組みに合わせて客観的に示す必要があり、林野庁と業界団体などは、木材製品の品目別に排出原単位の整備などを進めている。

これに加えて、同法が届出を義務づける大型物件は、建築時に大量の材料を必要とする。CO2排出量の少ない木材製品を、限られた期間に品質等を確保しながら安定的に供給できる体制を整備することが急務となる。

(2026年7月24日取材)

(トップ画像=改正建築物省エネ法のポイント)

『林政ニュース』編集部

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