森林経営管理法の改正と制度見直しが必要 自民党が決議、「骨太の方針」に反映へ

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森林経営管理法の改正と制度見直しが必要 自民党が決議、「骨太の方針」に反映へ

自民党は5月15日に農林関係の合同会合を開き、来年度(2025年度)林野予算要求に向けた決議をとりまとめた。施行から5年目を迎えている森林経営管理法*1について、「現行制度を総合的に検証し必要な見直しを行う」とし、「森林の集積・集約化を進めるための新たな仕組みを検討する」ことを重点課題にあげた。政府が6月に閣議決定する「骨太の方針2024(経済財政運営と改革の基本方針2024)」に決議の内容を反映させ、法改正と制度見直しに関する作業を本格化させる方針だ。

決議は、同党の林政対策委員会(中谷元委員長)*2*3が集中的に検討してきた成果をまとめたもの。「森林の循環利用の実現等に向けた森林・林業・木材産業政策の展開について」のタイトルを掲げ、①森林の集積・集約化の加速化、②国産材需要の拡大、③山村地域の活性化、④花粉症対策の着実な実施、⑤国土強靭化対策の着実な実施、⑥森林環境譲与税の活用促進──の6課題に取り組むべきとした。とくに、①森林の集積・集約化の加速化については、「森林の再造林率が4割程度と低調である」ことを問題視し、「伐採だけでなく、再造林等に責任を持って取り組む林業経営体に対し、森林を集積・集約化するための新たな仕組みを検討する」ことが必要とした。

今後は、来年度予算編成の基軸となる「骨太の方針2024」に決議の内容をどれだけ明記できるかが焦点になる。政府は、「骨太の方針」をできるだけ簡潔にとりまとめる方針をとっており、「重点事項をすべて書き込めるわけではない。字数の制限もある」(林野庁計画課)という状況だ。

昨年(2023年)6月に決定した「骨太の方針2023」では、岸田首相が打ち出した「花粉症対策」や「改正クリーンウッド法に基づく違法伐採対策」などを盛り込んだ*4。これらの文言を取捨選択しながら、法制度改正と予算確保に必要なキーワードを入れ込んでいくことになる。

(2024年5月15日、6月7日取材)

(トップ画像=自民党の農林関係議員は、6月7日に坂本哲志・農林水産大臣を訪ね、5月15日にとりまとめた決議の実現を求めた)

『林政ニュース』編集部

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