4月に発覚した大日本木材防腐(株)(愛知県名古屋市)と北関東ウイング(株)(茨城県筑西市)によるJAS法(日本農林規格法)違反事案*1を受け、林野庁は木材関係者などに再発防止と法令遵守の徹底を呼びかけている。
5月16日に開催された全国木材組合連合会と全国木材協同組合連合会の通常総会では、議事終了後に谷村栄二・林政部長が発言の機会を求め、JAS製品の適切な供給に努めるよう会員らに異例の要請を行った。
違反事案は、JAS製品の利用拡大に関する国庫補助金の受給企業が起こしており、谷村部長は、「このような事案が発生したことは誠に遺憾」と発言。住友林業(株)が森林経営計画の大臣認定書を偽造・行使した事案*2*3もあげて、「リーディングカンパニーの認識が甘いのは残念。日本の木材産業全体と国産材への信頼が失われてしまう」と注意喚起した。大日本木材防腐と北関東ウイングに対しては補助金返還命令を行い、JAS認証を取り消したことも報告。「JAS制度は基本的に“性善説”で運用している。みんなで支えて欲しい」と呼びかけた。
(2024年5月16日取材)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。