農相の諮問機関である林政審議会の会長に、東京農工大学教授の土屋俊幸氏(64歳)が就任した。同審議会の委員は1月6日付けで改選され、4年前から会長をつとめてきた鮫島正浩氏(東京大学教授)らが退任、2月20日に開催された今年初の会合で土屋氏が新会長に、会長代理に筑波大学准教授の立花敏氏が選ばれた。
土屋氏は、1977年に東京大学林学科を卒業、同期生には日本森林技術協会理事長の福田隆政氏や前日本製紙連合会常務理事の上河潔氏らがいる。林業試験場の職員から岩手大学助教授に転じ、東京農工大学に移って助教授から教授に昇格。林業経済学会の会長など要職を歴任しており、2015年から林政審の会長代理として鮫島氏をサポートしてきた。
会長に選任された土屋氏は、「今まではどちらかというと楯突くような意見を述べていたが、これからはみなさんの意見を取り上げる役目を果たしたい」と挨拶し、「林政は大きな節目を迎えており、来年になると新しい森林・林業基本計画の検討が始まる。その前に様々な議論ができるように、会合の時間を伸ばすことも考えたい」と意欲をみせた。
林政審議会委員(五十音順、○は施策部会委員、△は地球環境小委員会委員)
- 網野禎昭(法政大学デザイン工学部教授)
- 小野なぎさ(森と未来代表理事、△)
- 鎌田和彦(王子ホールディングス取締役常務グループ経営委員、△)
- 河野康子(日本消費者協会理事)
- 古口達也(栃木県茂木町長)
- 斎藤幸恵(東京大学大学院農学生命科学研究科教授、○)
- 立花敏(筑波大学生命環境系准教授、○△)
- 玉置敏子(環建築工房代表取締役)
- 塚本愛子(高知県林業振興・環境部林業人材育成推進監・兼林業大学校副校長、○△)
- 土屋俊幸(東京農工大学大学院農学研究院教授)
- 長濱和代(目白大学人間学部客員研究員)
- 中原丈夫(極東森林開発代表取締役)
- 野田四郎(石巻合板工業代表取締役社長)
- 日當和孝(岩手県木材産業協同組合理事長、○)
- 深町加津枝(京都大学大学院地球環境学堂准教授)
- 麓幸子(日経BP社日経BP総研フェロー)
- 松浦純生(京都大学防災研究所教授、○)
- 丸川裕之(日本プロジェクト産業協議会専務理事、○)
- 村松二郎(全国森林組合連合会代表理事会長、○)
- 横山隆一(日本自然保護協会参与)
(2019年2月20日取材)
『林政ニュース』編集部
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