「製材ならなんでもやる」体制で飛躍を目指すヤマコ佐藤【企業探訪】

宮城県 木材・木製品製造業

NHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」*1の舞台にもなった宮城県登米市と隣接する南三陸町は、国際基準であるFSC認証の取得森林が多いことで知られる。同市に拠点を構える(株)ヤマコ佐藤(佐藤裕康社長)は、昨年(2024年)5月に新工場を稼働させ、認証材を始めとした各種製品を県内、東北・関東地方だけではなく海外にも供給している。

省力化ラインを整えた新工場が稼働、乾燥処理がスタンダードに

ヤマコ佐藤が開設した新工場の年間原木消費量は約2,400m3で、主にスギを加工している。製材ラインにはキクカワエンタープライズ(株)(三重県伊勢市、菊川厚社長)の加工機等を導入し、2人でも稼働可能な省力化ラインとなっている。

現在は、製材工程に4人、乾燥工程に4人を配置し、製材時に発生する端材やバークを蒸気ボイラーの燃料として利用しながら高品質製品の生産に努めている。

同社が拠点を構えるエリアは、「津山杉」の産地であり、かつては小径木製材が活発に行われていた。最盛期には関東向け垂木材の大部分を供給していたほどだ。

十分な乾燥を施した高品質な製品

だが、乾燥設備の導入は、他地域に比べ遅れていた。同社の佐藤社長は、「職人不足と乾燥材生産への対応ができなければ次世代に引き継げない」と考え、新工場の建設に踏み切った。既存工場では乾燥材の比率が25%程度にとどまっていたが、新工場の稼働により乾燥処理をした製品がスタンダードになってきている。

年間約4万5,000m3の原木消費を計画、2×4材の輸出にも注力

ヤマコ佐藤は、1959年に佐藤製材所として創業し、時代の移ろいとともに第1、第2、第3工場と増設し、製品供給量を増やしてきた。そして、昨年の新工場竣工に合わせて社名を変更した。

「ヤマコ佐藤」という独特のネーミングは、創業者が子年生まれだったことに由来する。当初「ヤマ子(ね)」としていた屋号が、取引先から「ヤマコ」と呼ばれ続けていたこともあり、通称を正式社名に格上げした。

佐藤裕康・ヤマコ佐藤社長

同社の社員数は約30人。第1から第3工場の生産力に新工場が加わったことで、将来的には年間約4万5,000m3の原木を消費する計画を立てている。

同社のビジネススタイルは、「製材に関することならなんでもやる」だ。構造材から下地材の製材まで、あらゆるニーズを受け入れる体制を整えている。

様々なオーダーに応えるには、製材ラインの心臓といえる鋸(ノコギリ)のメンテンスが欠かせない。一般的には外部の業者にメンテナンスを委託することが多いが、同社には自前の目立て工房があり、専属スタッフが日々手入れを行っている。

新工場の稼働を踏まえて、同社が次に力を入れるのは、チップ材と2×4(ツーバイフォー)材の生産だ。同社の周辺にある森林でも虫害が深刻化している。被害木はチップに加工して、有効利用を図ることにしている。

一方で、戦後植林木の大径化も進行している。大径材の製材では、3mの芯材を角材などにし、辺材は2×4材に加工している。すでに、月2コンテナ程度の2×4材を北米に輸出しており、さらに増やしていく方針だ。

佐藤社長は、「地元の森林資源を活かし、高品質な製品を供給できるワンストップ型の製材工場になる」と話している。

(2025年10月7日取材)

(トップ画像=新工場に設置されている製材ライン)

『林政ニュース』編集部

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