大規模な森林伐採を伴うメガソーラー建設に歯止めを!―仙台市が要望

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宮城県の仙台市(郡和子市長)は、11月7日に農林水産・経済産業・環境の3省を訪れ、大規模な森林伐採を伴う大型太陽光発電施設(メガソーラー)の建設に対して規制強化を求める要望書を提出した。

同市では、約600haに及ぶ広大な森林地域を事業地にして太陽光発電施設を建設する計画が浮上しており、自然環境や景観への影響を懸念する地元住民を中心に反対意見が出ている。

このため同市では、環境アセスメント制度を段階的に厳しくするとともに、森林地域を1ha以上含む事業用地における太陽光発電事業の立地自粛を求める姿勢を9月に打ち出すなど、大規模開発に歯止めをかけようとしているが、郡市長は、「今の森林法に則って手続きが進めば、基本的には開発されてしまう状況だ」と警戒感を強めている。

3省庁に提出した要望書では、新設した関係省庁連絡会議*1が中心となって横断的な解決策を早急に講じる必要があるとの認識を示した上で、農林水産省に対しては、林地開発許可制度で定める残置森林率の引き上げなどを「法的効力のある国の基準として法令で明確化する」ことを求めた。

また、環境省には、環境影響評価法で規定する太陽光発電事業の規模要件を現行の4万kWから引き下げて小規模な案件から立地選定を行うようにし、経済産業省にはメガソーラー火災事故を防ぐために電気事業法に基づく延焼防止対策の義務化などの措置が必要と求めている。

要望書を受け取った農林水産省の鈴木憲和大臣は、「高市総理からも森林を大規模開発するメガソーラー問題に対応するよう指示を受けている。要望を踏まえ検討し、対応していく」と答えた。

(2025年11月7日取材)

(トップ画像=要望書を手交した(左から)郡和子・仙台市長、鈴木憲和・農相、野田譲・仙台市議会議長)

『林政ニュース』編集部

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